内閣府認証NPO法人 Green Help Japan (GHJ)

宝塚歌劇から想像出来る世界 [32]

2011年4月8日

NPO法人グリーンヘルプジャパン

代表理事 近藤和子

 

月組

主演・・・霧矢 大夢、蒼乃 夕妃

ミュージカル

『バラの国の王子』

~ボーモン夫人作「美女と野獣」より~脚本・演出/木村信司

 

[解 説]抜粋

 

 18世紀半ば、フランスの作家ボーモン夫人によって書かれた寓話「美女と野獣」は、映画化、近年ではアニメーション映画化されています。魔法で野獣に変えられてしまった王子と、心優しい娘とのロマンティックなラブ・ストーリーは、早くも1955年に宝塚歌劇で取り上げています。今回の舞台化では、原作の古典精神に立ち返り、単なるお伽噺ではなく人間味あふれる物語として、美貌をたたえた「麗しの魔物」を主人公に展開します。

 

昔あるところに、バラを大切にして暮らす王族がいた。しかし一人息子である王子は、悪い仙女の魔法によって、野獣の姿に変えられてしまう。そのとき良い仙女が現れ、王が真実を見抜く女性と出会うとき、魔法はとけるでしょうと告げる・・・。時が経つ。あるところに商人がいた。商人には三人の娘がおり、二人の姉はわがままに育つが、末娘のベルだけは気立ての良い娘に育った。あるとき嵐の晩に、商人は森で道に迷ってしまう。大きな屋敷に辿りついた商人は、目についた食べものを平らげて寝てしまう。翌朝、目覚めた商人はベルへのおみやげにと、庭に咲いたバラを折る。たちまちあたりは暗くなり、人とは思えない恐ろしい声が響き渡る・・・。

 

グラン・ファンタジー

『ONE』―私が愛したものは・・・―  作・演出/草野旦

 

[解 説]抜粋

 

“ONE”…ものごとの始まりであり、この言葉には色々な意味が込められている。“ONE”にまつわるイメージをテーマに、様々な人が愛した“ONE”を、華やかで楽しく美しい宝塚ならではのショーに構成したファンタジックなショー作品。

 

 

「想像できる世界」

 

この公演の初日は3月11日でした。


一幕目が終わった時、大変な震災が起きた事を知りましたが、その時はまだ、今の様な、実感はありませんでしたので、観劇に集中していた自分が思い出されます。 

 

今回の公演の感想は初日と、震災後7日目に観劇したときとでは、別なものを観劇しているような感じを受けました。自分の心のあり方や環境の変化で・・・、ここまで違ってしまう自分の心の変化に、驚きました。

 

 初日の時は・・・生徒さん達一丸となって、作り上げた新しい作品が観劇できる心待ちの日でもあり、今までの労と公演の無事と成功にエールを送る日でもあります。

 

今回は特に、作品・ショーを通して、清く・正しく・美しく、という宝塚歌劇の基本の心が前面に出されているような思いがしました。時間がリセットされ、新しい青い星の時代に入ったことを確認させる内容でした。特にショーからは清楚で美しく、懐かしいようで新鮮さを感じる心と魂の癒しになるようなエネルギーが伝わってきました。

 

作品は、長い間、閉じ込められていた日本本来の魂が解放されて、過去の心と共に新しい時代が開けてきたような気がしました。

 

過去の、木村先生の作品の「スサノオ」とリンクしているような気にもなりました。

 

今からは、感性が豊かになり、今までの二元論の考え方に中道思考が加わる。真実の心が甦り、世の中をリードするようになるという説もあります。やっと、みんなが祈りながら待っていた時代が到来するという感覚を、確認出来たような気持ちになりました。

 

心美しい野獣を演じる霧矢 大夢さん、それに応える蒼乃 夕妃さんの演技は空間の中で融和して、新たなエネルギーとなって伝わる波・波・波、それに、美しいコーラスが加わり、清らかな世界に旅しているような錯覚すらしそうな異次元の空間を感じました。

 

七日目の観劇は・・・大変な震災の実態・原発の事故などの内容が深刻な事態である事がどんどん分かってくるにつれて、感情は閉鎖し、NPO法人グリーンヘルプジャパンの会員の方々に対する被災の確認、協力の提案の模索など、今まで体験した事のないような行動と感情の中から、宝塚歌劇を観劇するという事は、時間的にも、感情的にも、考えてしまいました。しかし、そんな感情の中から、被災を受けなかった人たちは、当たり前の生活が維持できることに感謝して、今まで以上に、力強く生きることが大切である事に気づき、いつの日か、復興を協力出来る力を育てようという気になって、観劇しました。公演中は震災の映像と重なり、とめどもなく、涙が流れてきました。美しい、歌声でも・・・。ただ茫然と眺めているような観劇態度でした。その中で、ふと、気が付いたのですが・・・。生徒さんたちが一生懸命、癒すようなエールを送りながら、泣きたい気持ちを堪えて演技しておられ、この感情を感じれば、感じるほど、このエールを糧に頑張らなければと思いました。更に、最後のご挨拶は、私の複雑な心の世界を癒しました。

 

一四日目の観劇は・・・DVD撮りの日でした。皆さん一生懸命でした。私は、今のこうした環境の中で、公演を続けているという事は、大変な事なのかも知れないと思えるようになっていました。この作品のように、日本の国は変わってきていると確信しました。