内閣府認証NPO法人 Green Help Japan (GHJ)

宝塚歌劇から想像出来る世界 [27]

2010年10月15日

NPO法人グリーンヘルプジャパン

代表理事 近藤和子

 

月組
主演・・・霧矢大夢、蒼乃夕妃
ミュージカル
『ジプシー男爵 』ヨハン・シュトラウスⅡ世 喜歌劇「ジプシー男爵」より
脚本・演出/谷 正純

 

[解 説] 抜粋

 

ヨハン・シュトラウス作曲のオペレッタ「ジプシー男爵」を、現代的にリメイクしたミュージカル。1738年、オーストリア=ハンガリー帝国の東南端の 町・テメシュバールは、二十数年前まではオスマン・トルコの支配下にあったが、ベオグラードの戦いの勝利でハンガリー帝国に帰属していた。そんな頃、テメ シュバールに起きた物語……。隠した財宝・トルコと内通していたとの濡れ衣で亡命を余儀なくされた者の息子シュテルク・バリンカイが帰って来た。 財宝を 巡り様々な思惑が交錯する中、哀愁を帯びたジプシー娘ザッフィの歌声に導かれる。亡き父親は、人々が蔑むジプシーたちを保護し支援していた。シュテルクは 亡き父親と同じ思いで、「ジプシー男爵」の名を継ぎ、ザッフィを妻にすると宣言するが……。

 

※最近では、「ジプシー」の表記は、偏見・差別的に使用されている場合があることを理由に「ロマ」等と表記されるようになりましたが、本公演を上演するに あたっては、ヨハン・シュトラウスⅡ世 喜歌劇「ジプシー男爵」の原作を考慮、尊重するために、そのままの表記・表現を行います。

グランド・レビュー
『Rhapsodic Moon(ラプソディック・ムーン)』  作・演出/中村一徳

 
[解 説] 抜粋

 

月のもつ神秘的な美しさ、輝きが発するエネルギーをバックに、「Rhapsodic(熱狂的に)」歌い踊るダンシング・レビュー。幻想的な音楽と情熱的なダンスシーンを織り交ぜ、月組のショースターの様々な魅力を見せます。

●想像出来る世界

 

今回は霧矢大夢さんと、蒼乃夕妃さんとのコンビを組んだ新生月組の、宝塚大劇場での2回目の公演でした。

 

前回、全員参加型の組に生まれ変わっている、新生月組のスカーレットピンパーネルに感動しましたが、今回も、内容は違いますが、更にレベルアップした、全員参加型の組になっていて、複雑なコーラスでしたが、皆さんの声が澄んでいてとても美しく、聞き惚れました。

 

今、委任民主主義と参加民主主義という言葉をよく聞きます。どちらも、民主という個人が主なのですが、指導者を中心にと、個人それぞれが、中心という考え方です。言い換えれば、上から下に(アナログ)・横の関係(デジタル)とも言えます。

 

平成の維新は、デジタル化であるとも言われていますが、電波の世界だけでなく、人間関係も変わって行くと言われていましたが、新しい時代の世界をメッセージし続けている、宝塚歌劇ですが、ここにきて、この月組の公演を観劇して、実感のようなものが、湧いてきました。

 

ヨハン・シュトラウス作曲のオペレッタ「ジプシー男爵」を、現代的にリメイクしたミュージカルということもありますが……。

 

同じ舞台で、大勢の人たちが、それぞれ歌い自分の思いを訴える声を聞いていますと客席には、とても美しく、感情が豊かになり、生徒さん全員の心を込めた、一生懸命さも伝わり、新鮮な気持ちになります。

 

冒頭、幕が開くと、トップ2人のダンスから始まり……観客をあっと言わせる世界に引き込まれて……物語は始まります。

 

お互い、地を走るような1本の光の帯の端に立ち、そこから寄り添って、流れるような踊り。今まで天から照らしていた光が地に降り立ち、大地を走っている ような事を、想像する一幕でした。待ちに待った新しい時代の到来を伝え、歓喜を伝えている様な気もしました。新しい時代には、遠い昔、日本から出て行った 民が帰ってくるという話をきいています。他の作品でも、こうした感覚は時々感ずることはありましたが、帰ってきた人が、与えられた財産も地位も捨て、更に 自由と愛と仲間を求めて生きるという内容に、物質社会ではなく、個が目覚める精神社会の到来を感じました。

 

さげすまれた人たちがテーマになっているこの作品を観劇しながら……日本社会にも根強く残る部落問題に関して、重なるものを感じました。この年齢にな り、考えも希薄なものになりつつある、私の思考を、作品、そして、演じる生徒さんたちのエネルギーで、活性してもらいながら、啓蒙させられるような気がし ました。

 

とにかく、歌声が素晴らしい作品でした。

 

次の、グランド・レビューのラプソディック・ムーンに関しましても、熱狂的というだけあって、こちらまで、気が高揚して、流れについて行くのがやっとで、気がどんどん発散されているのを体感しました。

 

レビューとは、批評・評論という意味があり、かって昔、パリから始まったという。社会に対する批評として。新しい時代はスサノオのエネルギーが甦るとい う言い伝えがある。別名、月読命ともいう。この話を思い浮かべながら、観劇していますと舞台の中で、長い歴史を乗り越えて、やっと甦って来たような気に なったのは、舞台演出効果のトリックだったのでしょうか?