内閣府認証NPO法人 Green Help Japan (GHJ)

宝塚歌劇から想像出来る世界 [7]

2008年1月1日

NPO法人グリーンヘルプジャパン

代表理事 近藤和子

 

星組 『エル・アルコン―鷹―』
~青池保子原作「エル・アルコン―鷹―」「七つの海七つの空」より~
原作:青池保子(プリンセス・コミックス)・脚本・演出/齋藤吉正

 

この公演は、漫画の原作から作られている作品である事は承知の上で観劇をいたしました。最初は、何故主役の安蘭 けいさんが悪役であるのかという事に不思議な感覚で、興味を持ちました。いつもの私の想像の世界から説明すると、花組が未来に進む道しるべのようなメッ セージに続いて、今回は今までの歴史の大きな整理と新しい時代の幕開けを伝える内容であるのではないかと考えていました。

 

レビューと連動しているストーリーである事に気が付きました。内容は非常に深く、安蘭さん自らが述べる悪事・・・という台詞にも意味があるような気がして、いろいろな角度から思いをめぐらせてみました。

 

そうすると、公演の最後ごろにやっと、背景に隠されている一貫した世界が開けてきたような気がして来たのでした。

 

その内容とは、キリスト教のプロテスタントとカトリックとの戦いでもあり、また、神と愛を求める人と正義と良心を求める人の戦いでもある。それに、天体 の星座、鷲座の七つの星と小熊座の二つの黄金の光に太陽の光の世界が加わって、次々と人を殺めていく、安蘭さんが演じる主人公ティリアンのイメージがどん どん変わって行きました。

 

悪事を犯すたびに、次に野心と言う思いを変化させて、更に大きく、未来に向かって生きる姿勢に、今の自分の心境を重ねていました・・、苦しくとも、窮したとき、次なる目標に向かって羽ばたく勇気と生きる力を頂いたような気がしました。

 

宝塚歌劇において、こんなに残酷すぎる公演は珍しいのではないか?と思いながら、荒れ狂う今の時代の中で、啓蒙とでも言える内容に感動しつつ、ティリアンが抱く野心がどんどん変化して行き、キリスト教のカトリックでの復活や新しい世界にまで到達してたように感じました。

 

悪事を働く前の状況を分析していると、神と愛という絶対なる真理の中で正当化出来ていく自分にも不思議な感覚を覚えました。

 

こうした場面を演じる安蘭さんの心理状態を感じ取る事も興味の一つになりました。

 

立場の違う、三人(神と愛=安蘭さん・海と大地=遠野さん・正義と良心=柚希さん)が一緒に歌うコーラスの時は、溶け込めるエネルギーに心が暖かくなり ました。最後には、それぞれの立場を理解し、思いの世界で和合をしますが・・。この度、個人的な意見として、女性海賊という役を演じられた娘役の遠野さん は大変だったと思いましたが、女性が男性を演じている宝塚歌劇に於いて女性がどんな強い役を演じる事になっても、女性そののままではなく、女性を演じると いう事も大切であるように思いました。そうすれば、舞台が柔らかくなるような気がしました。強い女性として生きている私自身にも考えさせられる内容もあ り、頭の芯まで入り込んだ多くの思いをいつまでも大切に、力強く生きて生きたいと感じました。

『レビュー・オルキス―蘭の星―』
作・演出/草野旦


今から800年後の地球には蘭の花が咲かないを、環境破壊という世界を含めて演じている。蘭が咲いていた地球で花の女王と呼ばれる蘭をテーマに気高く、 華麗で美しく、妖しく神秘的な世界を描き、世界三大オペラ劇場の一つである、アルゼンチンのコロン劇場バレエ団の芸術監督を務めるオスカル・アライス氏を 招いての指導であった。安蘭さん・遠野さんの老夫婦に扮しての始まりは、意外であり、毎回変わるアドリブは楽しかった。一幕の重さや拘りを吹き飛ばす、次 々と変わるショー。

 

華やかな中から、咲かなくなった原因は女性のわがままであるようなメッセージだったように思い、技術的には高度だった様に感じました。