内閣府認証NPO法人 Green Help Japan (GHJ)

宝塚歌劇から想像出来る世界 [5]

2007年11月12日

NPO法人グリーンヘルプジャパン

代表理事 近藤和子

 

「月組」
*スピリチュアル・シンフォニー
『MAHOROBA』-遥か彼方 YAMATO-
作・演出・振付/謝珠栄

 

[解 説]・・パンフレット抜粋
解説では、時代を超えて伝承されてきた伝統芸能、民族舞踊にスポットを当て、洋楽のリズム感や華やかさを織り込みながら、古典の面白味、エッセンスを込 めたショー作品。過去と未来、生と死、北と南といった両極を行き来しつつ、春の芽生え、夏の猛々しさ、実りの秋、冬の厳しさから再生の春へと移り変わる、 アジアのみならず世界に誇る、日本の四季の変わらぬ豊かさ、美しさを表現する。気鋭の三味線奏者・上妻宏光氏がクライマックスシーンの音楽を担当。とあり ますが、余りの奥の深さに驚きました。観劇の感想を言葉で表現するにはどこから話せばよいのかと考えてしまうような作品でした。

 

前の宙組の公演での
*コズミック・フェスティバル
『宙 FANTASISTA!!』
作・演出/藤井大介

 

宇宙のビックバンから太陽系星を旅する話でしたが、その内容に続いて・・・素粒子が三次元化して・・古事記に出てくる神の、いざなぎ・いざなみの世界から八百万の神の世界の再現のような気がしました。

 

主演男役の瀬奈じゅんさんはこの公演に際して、古事記を読まれたと聞いています。大和武の尊の話が中心でしたが、すばらしい演技にときに、舞台の中に吸 い込まれていくような気がしました。神々の世界の演技を見ている内に、新しい時代の到来を新鮮な感覚で受け止める事が出来たような気がしました。

 

何時までも心に残る台詞も多くありましたが、特によく思い出すのは大和武の尊が戦いが終わって、傷ついた身を引きずりながら・・「大和に帰ろう」と心の底から訴えるところです。

 

つらい事があったら、「・・・に帰ろう」と言う事で、気が変わり、未来が開けるような気がするのです。

 

物語では大和武の尊は途中で病死して、サギという鳥になって帰ったとされています。最後にサギに生まれ変わった大和武の尊を喜び、多くのサギ達が踊る場面は、私の心に安心感と喜びの感動を残しました。

 

この体験が、記憶となり、自然に言葉が出てくるのでしょうか?

 

宝塚歌劇でしか味わう事のできない神秘的な感動の連続の公演でした。

○ミュージカル『マジシャンの憂鬱』
       作・演出/正塚晴彦

この作品はマジックを裏づけのある安定した世界と捕らえ、透視は一時は当たっていても、長い目で見ると不安定な世界と捕らえ・・・今からの、感情から感 性へと移る新しい時代は、目に見えない世界を定義と言う宗教思想から知るより微細科学のナノテクノロジーという世界を科学することで説明出来ることの方 が、より正しいということを伝えようとしているような気がして仕方がありませんでした。

 

マジシャンの瀬奈さん・皇太子の霧矢さん・侍女の彩乃さん・占い師の出雲さん・開発者の大空さん達や出演者全員がいきいきと、楽しく演じている場面で は、こちらまでが、楽しくなり、沈んだ場面もそれなりのストーリーがあり、思考しながら、隠されている作家の意図を探る小さな心の旅は何時までも飽きる事 のない世界でした。

 

世の中を風刺しているような気がしたのは、皇太子や皇太子妃の侍女はマジシャンやその仲間に助けてもらっても、その助けてくれた人の目線に降りることなく、常に自分の位置を守っている姿を観客席から見ているときでした。

 

個が目覚めて来る。感性の世界になる。微細な世界が解明され世の中のすべての営みがより透明になってくるように思いました。

 

公演中の生徒さんの感情の動きを捕らえることも、醍醐味の一つです。