内閣府認証NPO法人 Green Help Japan (GHJ)

宝塚歌劇から想像出来る世界 [21]

2010年3月12日

NPO法人グリーンヘルプジャパン

代表理事 近藤和子

 

雪組
赤十字思想誕生150周年
◎宝塚ミュージカル・ロマン
『ソルフェリーノの夜明け』
―アンリー・デュナンの生涯―
作・演出/植田紳爾
後援/日本赤十字社「解 説」の抜粋

 

現在、世界の186の国と地域に広がる赤十字の存在を知らない人はいないでしょう。その人道的活動団体・赤十字は、スイス人実業家アンリー・デュナンが、 1859年6月、イタリア統一戦争の激戦地ソルフェリーノにおける傷病者の悲惨なありさまをみて、「苦しんでいる人は敵味方の区別なく救わなければならな い」と提唱し、創設したものです。1864年、スイス等の16カ国がジュネーブ条約に調印。晩年(1901年)、アンリー・デュナンは世界平和に対する大 きな貢献が認められ、第一回ノーベル平和賞を受賞します。情熱的で人間愛に満ちたアンリー・デュナンの波乱に満ちた生涯を通して国籍、人種、宗教などにか かわらず、人の命や尊厳を守り、人々が平和に暮らしていくことの大切さを描いた作品です。

 

◎この生命は人の光なり 光は闇を照り 闇はこれを悟らす(聖書)


◎『人間は争うことしか出来ないか! 歴史はそれを繰り返している。いつになったら争いの愚かさが分かる時が来るのだ!』理想は理想として現実には越えられない壁のあることに悩む場面。


◎アベマリアのハーモニカの音色が野戦病院の庭に流れた。敵も見方も一緒に歌う場面。


◎人間そのものの本質を演じたいと言うトップの水夏希さんの意気込みに加え、未来優希さん・彩吹真央さん等の退団公演という事もあり、雪組一丸となった情 熱的な演技を通じて、作者の深い思いを感じ取れた時、更なる感動が湧いてきました。その感動は私自身の生活とつながりいろいろな世界を連想するのです。

 

そして、思考がどんどん膨らんでいくような気がしてきました。特に、私の場合はNPO法人の代表をしている関係から、自分が歩いている道と重なる部分が あり、観劇を通じて、未来につながる新たなエネルギーを受け取ったような気もしたり、NPO活動の一環として始めた宝塚歌劇100年への支援活動の当初の ことも懐かしく思い出しながら、この支援のきっかけとなったのは水夏希さんとの出会いからでした。その人が演じてくれているのですから思いの深さは増幅し ていきます。


華やかな世界と定評のある宝塚歌劇の舞台に戦争の悲惨な現状をそのまま再現してあり、死人・怪我をした人、血に染まった衣服を観ながら宝塚歌劇150年 の頃にはこの作品はどんな評価を受けるだろうか? と、ふと思いました。作者の願いが込められているような気さえしました。

ショー・グランデ
『カルネヴァーレ睡夢(すいむ)』
―水面に浮かぶ風景―
作・演出/稲葉太地


「解 説」の抜粋
10日間に亙って繰り広げられる、水の都ヴェネツィアのカルネヴァーレ(謝肉祭)は、人々が仮装や仮面で本来の姿を隠し、豪奢に繰り広げられるクラシカルな祭りとして世界的に知られています。


そのカルネヴァーレをテーマに、誰もが待ち焦がれ、心躍らせ、そして過ぎていくと一抹の淋しさを感じずにはいられない祭りの持つ性を劇場空間に表現したショー作品です。

 

この作品は稲葉太地の宝塚大劇場デビュー作となります。


◎基本的にお祭りは楽しいものと考えていましたが、華やかな中に一抹の淋しさが演出されている点は、観劇する立場からすると、もう一つ違う思いが生まれてくるのを感じました。現実に帰るという、現実から逃げずに立てというメッセージを……。

 

よく聞きなれた行進曲に乗って繰り広げられるお祭りを観ていると、難しい理論も理屈もなく、全員参加型の社会の到来を告げているような気になってきて、明るい未来が開けるような気になり嬉しくなりました。


◎この二つの作品を観劇していますと空と海を想像し、キリスト教思想の中に、仏教思想が重なっているような気もして来ました。

 

新しい時代は神道と仏教とキリスト教その他の教えが一つのエネルギーの光となると言われていますが、今回の中にこの光が表現されているように感じたのは私だけなのでしょうか?


◎最近の公演での内容は実に意味深い歴史の変わり目を意識した素晴らしい作品が多いように感じています。

 

こうした傾向は社会全体に広がっているように思います。

 

観劇を通じて新しい時代のメッセージを受け取っているような気にさえなりました。