内閣府認証NPO法人 Green Help Japan (GHJ)

2007年頭にあたり 総合科学技術を基礎とした時代を支えるNPO法人の果たすべき役割

工業技術新聞掲載論文-近藤和子記
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内閣府認証NPO法人 グリーンヘルプジャパン
代表理事 近藤和子



明けましておめでとうございます。

 

私がこの、年頭にあたりを書かせていただくようになって、今回で12回になり12年が過ぎた事になります。

 

個人がこんなに長く書き続けることは、紙面でどれ程の主張を続けてきた事になるのかと想像しますと、考え込んでしまいます。編集長から今は認められていないが必ず認められる時が来るから、微細な世界を含む総合科学の世界について書くようにと勧めていただいたのがはじめでした。とかく人間は同じ事を続けていますと初心を忘れてしまう傾向があります。私もその一人です。今年は最初の事を思い出しながらここまで来た経緯を中心に書きながら、昨年に続く表題である「総合科学技術を基礎とした時代を支えるNPO法人の果たすべき役割」について私の思いを書いてみたいと思います。

 

当初は、民間の立場で、総理大臣をはじめとする大臣の方々と同じ紙面に自分の意見を述べるという事は、私にはとても出来ないと思いましたが、説得を受けました年には阪神の震災やオウム真理教のサリン事件がありました。この年は国民一人ひとりがいろいろな点で考え方が変わりました。悲惨な現状を見ることにより、自分の生活は自分で守るという自発性が目覚めたような気がしております。この震災のとき自発的に生まれたボランティア活動団体の意思を消すことなく継続するためにという国民からの要望を受けて特定非営利活動法人が作られました。言換えれば、平成7年のこの年に震災があった事で国が収入を上げながら活動できる事を法案化したのでした。今から思えば、おかしいことだと思いますが、この特定非営利活動法人の国の認証を受けるところは、今の経済産業省の管轄でした。現在は内閣府にあり、総理大臣の管理下に置かれています。営利が伴なう内容はすべて経済産業省であるという考え方が政治に反映していたことが伺われます。モノ作り・人作りを軽視し、お金を求めた政策を重視したツケが今のモノを大切にしない・人を大切にしないという、社会の傾向を作り上げて来ているような気がします。

 

その当時の私は昭和60年に農林省の声かけから始まっていた、山を活かす運動の一環として、ひのきの葉を科学し、いろいろな商品を開発していました。ひのきの葉にはオール・タールという揮発性物質がたくさん含まれており、この物質を科学していますと今までの科学の常識を超えた事が起きて苦労しました。そこで、自然の素材が持つ性質を調べているうちに、今で言う総合科学の世界に行き当たりました。この総合科学という考え方は、当時の日本の大学では学問としての分野がありませんでした。

 

この総合科学を学問とすることを平成12年1月に国が認め、この科学に含まれる目に見えない微細な科学をナノテクノロジーと決めました。さらに総合科学技術を含む「科学技術創造立国」を目指すことも宣言しています。辞書で調べますと、総合科学とは、人文・社会科学・自然科学の総合をいう。自然科学とは自然現象を対象として取り扱い、そのうちに見いだされる普遍的な法則性を探求する学問。便宜的に、物理学・化学・生物学・地学など。単に科学ともいう。とあります。

 

我が国が「科学技術創造立国」を目指す宣言をするまでの経緯を簡単に説明しますと、それまでの我が国は人間が考える思考の分野を文系としていました。欧米では人間という機能が思考する行為なので理系とされてきました。総合科学を認めるに当たり、我が国も科学技術基本法の基に理系とすることを宣言しました。

 

それまでは目で見ることが出来ない世界を学問の範囲から外していましたが、この外していた分野の極微細領域に関する研究を外廓団体で5年間という期間を切った研究が始まったことを知り、私は興味と喜びで一杯になり、当時の科学技術庁に連絡して研究についていろいろ訪ねましたが、これは国に所属する団体が対象に研究することが条件で、私のような個人研究者は対象ではないとケンモホロロに撥ね付けられました。研究内容を教えてほしいという単純な思いが聞き入れられないことにどうしても納得できず、言い方を変えて、再度連絡をとりました。税金を払っている一人の国民として今回のプロジェクトには興味があるので内容を教えてほしいと・・・。いろいろなやり取りした末発信人も書かれていないFAXが一枚流れてきました。官僚という人の確執に触れたような気がしましたが送ってもらえたことで、良しとすることにしました。

 

その時の研究内容は左記のようなものでした。

 

  • 研究目標
    未知領域への挑戦

  • 研究領域
    1. 生命現象
    2. 極微細領域の現象
    3. 極限環境状態における物質現象

  • 環境低負荷型社会システムの実現

    1. 環境負荷要素の特定
    2. 完全循環システムの形成
    3. 生態系調和の探求

 

以上のような戦略研究の内容は私が総合科学を理解してもらうためにコツコツ研究していた内容と重なっており、私なりに考え方はほぼ出来上がっていました。

 

ひのきの研究から知った総合科学の世界は今からの時代には必要不可欠となるであろうと考えていました。

 

この戦略内容を見たとき、環境低負荷型社会システムの実現の研究領域の中で環境負荷要素の特定と生態系調和の探求は障害なく進めることが出来るだろうと思いましたが、完全循環システムの形成に関しましてはその時の科学では難しいのではないかと判断していました。その理由は今世の中に存在している負荷要素をどうするかという問題が出てくるからです。

 

私も以前から同じように低負荷型社会システムの実現について研究していました。その結果、今世の中に存在している負荷要素を良くして負荷を逆転させて良い物質に変えてしまう事が必要であると考え商品開発を進めてきました。出来上がった商品はいろいろあり、協会の会員には愛用されていましたが、経済効果の面から言うと新しい商品が売れなくなるという事が起きたり、使い捨て的な考え方がもったいないという考え方に変わるため、ビジネスとしてのうまみが薄く、今は違いますが、当時は受け入れられにくい理論でした。しかし、私は負荷要素を良くしないと、完全循環システムの形成は出来ないと、信じて研究を続けていましたので・・この戦略研究でこの部分を解決できる研究と思考が進むのだろうかと疑問に思っていました。

 

この点は今も解決できていないように思います。


この戦略研究が始まった当時、こうした私の考えを世の中に出すようにと言う人に出会い、皆さんの協力もあり、生涯学習の学院を設立し微細科学を含む科学の教育を始めました。

第1期では微細な世界がすべての営みの原点であることを科学技術を通じて体感し、自覚することを学習しました。第2期ではNPO法人グリーンヘルプジャパンが科学技術を通じて活動することを目的に掲げている関係から、そのことの意義についても学習しました。

 

今年からは第3期をはじめます。その内容は国が示す第3期科学技術基本計画に沿った考え方を充実させるとともに、科学技術の興味を持つ子供を育てることが先決であり、その親となる男女がまず興味を持っている事が第一条件であるように考えますので、国の教育を受ける前の段階での科学技術生活を楽しむ知恵を普及させる教育も進めます。

 

学院を設立した当初は、多くの人からガリレオのような異端者扱いされたことが思い出されます。今日までの厳しい道のりでしたが、信念を曲げずにこれたのは科学技術がいつも変わらぬ結果を出してくれたということと、必要なときに必要な出会いがあったことが大きな支えとなったようです。

 

ある時、私にこんな事を助言した人がいました。

 

この総合科学の考え方を世に普及することと、私が開発した商品を従来の経済活動ではなく、NPOの経済活動のために使うことを進め、内閣府の認証を取って活動するようにと・・・。

 

元法務省官僚の人でした。国に頼ることなく国民が目覚めて生きる知恵を見つけることが、今からの時代に求められているという内容と、そうしないと我が国は駄目になるということも聞きました。その当時は半信半疑でしたが最近になって時代がどんどん変化している中で以前に聞いた話が理解できるようになり、意欲も湧いてきています。

 

ひのきの葉から開発した商品は当初はBMD予防医学協会、今はBMD環境美容予防医学協会とNPO法人グリーンヘルプジャパンの活動を通じて普及をしています。

 

この協会の理念は「生涯の健康と幸福を守る知恵の超循環」目標は「自主自立豊かな心で一生を」です。

 

NPO法人の目的は科学技術を通じて、環境・健康・美容・農業・食育の負荷要素を良くする運動。とあり、最近使われている、省エネ・UD(ユニバーサルデザイン)・環境会計などの言葉をフルに活かして科学技術に関心を持った生活密着型人作りの活動と政府が示す活動項目を個々人の自覚に立った水際の活動を続けて来ております。

 

その間、国では、平成12年1月の「科学技術創造立国」を目指す宣言を受けて、平成13年1月に内閣設置法(平成11年法律第89号)に基づき「重要政策に関する会議」の一つとして、総合科学技術会議が内閣に設置されました。

 

内容の抜粋を載せます。

 

総合科学技術について

  1. 設立
    総合科学技術会議は、内閣総理大臣及び内閣を補佐する「知恵の場」として、我が国全体の科学技術を俯瞰し、各省より一段高い立場から政策、総合的・基本的な科学技術政策の企画立案及び総合調整を行うことを目的として設置された。


  2. 任務
    • 内閣総理大臣等の諮問に応じ、次の事項について調査審議する。
      ア、科学技術の総括的かつ計画的な振興を図るための技術の基本的な政策。
      イ、科学技術に関する予算、人材等の資源の配分の方針、その他の科学技術の振興に関する重要事項。

    • 科学技術に関する大規模な研究開発その他の国家的に重要な研究開発の評価を行う。

    • これらのア、及びイ、に関し必要な場合には、諮問を待たず内閣総理大臣等に対し意見を述べる。
  3. 特徴
    • 戦略性、適時性
      国家的・社会的課題に適時適切に対応するため科学技術に関する総合戦略を立案。

    • 総合性
      人文・社会科学も含む倫理問題等の社会や人間との関係を重視。

    • 自発性
      内閣総理大臣等の諮問に応じ答申するのみならず、自ら意見具申。以下略



以上のようなことが定められて進められてきた科学技術基本計画は平成18年から5年間の3期に入りました。今まで当てられた予算は累計で約60兆円以上になり、第3期だけでは約25兆円が予定されています。

 

この第3期基本計画の内容の中には、今までになく、個の目覚めについて書かれた項目があります。

 

ここでやっと、個々人の能力の起用と国民主導型の社会が作られていくような気がしております。私達NPOの今からの我が国における政策の基本を成す考え方になるような気がしますので続けて抜粋を掲載します。参考にして下さい。

第3期基本計画を遂行するに当たっての基本姿勢は2点、

 

  1. 社会・国民に支持され、成果を還元する科学技術。

    科学技術政策は、国民の理解と支持を得て初めて効果的な実施が可能になる。このため、研究開発投資を戦略的運用の強化により一層効果的に行うこと、絶え間なく科学の発展を図り、知的・文化的価値を創出するとともに、研究開発の成果のイノベーションを通じて、社会・国民に還元する努力を強化すること、科学技術政策やその成果を分かりやすく説明するなど説明責任を強化することによって国民の理解と支持を得ることを基本とする。これによって、国民の科学技術に対する関心を高め国民とともに科学技術をすすめていくことが可能となる。

  1. 人材育成と競争的環境の重視~モノから人へ、機関における個人の重視。

    科学技術力の基盤は人であり、日本における創造的な科学技術の将来は、我が国に育まれ活躍する「人」の力如何にかかっている。我が国全体の政策の視点として、ハード面でのインフラ整備など「モノ」を優先する考え方から、科学技術や教育など競争力の根源である「人」に着目して投資する考え方に重点を移しつつある「モノから人へ」。

    科学技術政策の観点からも先にインフラ整備ありきの考え方から、優れた人材を育て活動させることに着目して投資する考え方に重点を移す。潜在的な人材の発掘と育成、人事システムにおける硬直性の打破や人材の多様性の確保、創造性、挑戦意欲の奨励などの政策を進めることにより、創造的な人材を強化するとともに、個々の人材が有する意欲と情熱をかき立て、創造力を最大限に発揮させる科学技術システム改革に取り組む。その際、若手研究者や女性研究者、さらには外国人研究者など、多様な個々人が意欲と能力を発揮できるよう根本的な対応に取り組む。科学技術の基盤となる施設・設備の整備・充実に当たっても、国の内外を問わず優秀な人材を惹きつけ、世界一流の人材を育てることを目指す。このような人に着目した取組は、我が国の科学技術力を長期的に向上させていくとともに、我が国に対する国際的な信頼感の醸成にも貢献するものである。

    科学技術における競争的環境の醸成については、科学技術に携わる人材の創造的な発想が解き放たれ、競争する機会が保証され、その結果が公平に評価されることが重要である。現代の高度化した科学技術活動を進めていくためには、個々の研究者及び研究者を目指す若手人材は適切な施設・設備を有する研究・教育機関に属することが不可欠と考えられるが、競争的な研究開発環境を整えるためには、縦割組織維持管理的な発想で研究・教育機関を運営するのではなく、個々人の発意や切磋琢磨を促すことなどを通じて競争的に研究者を育て、能力を発揮させていくような研究・教育機関となる必要がある。研究・教育機関が個人の科学技術活動の基盤を担う機能を持つことにも留意しつつ、今後は競争的な環境の強化という観点から「機関における個人の重視」へと政策の転換を図る。

 

とあります。

 

これらの内容からも国民一人ひとりが科学技術を自覚し成長することが求められています。そしてさらに、国民が科学技術に関心を持ち科学技術に親しさを感じて日常生活に馴染ませる普及・教育をNPOと協働する事も示されていることが今からの、私達のような民間活動団体の活動に光がさすものと期待できます。

 

このような内容だけを見ていますと、この総合科学技術会議の指導のもとで動いている科学技術基本計画は正しい方向に進むという確信を持ちますが、補助金に頼らず活動している立場から、いろいろな会議に出てみますと、縦割組織維持管理的な発想で研究・教育機関を運営しているのが主流をなしているという感じを受けます。これは5年間で改善されることを期待しております。また、大企業指導型の会議もよく出会います。協力という名のもとに新しい商品の開発発表会だったり、不思議です。

 

例を上げますと省エネ・UD商品を買うことが時代のニーズに答えているような感じを受ける会議があり、言換えれば、買えない人は時代の足を引っ張っているようなことになりかねないという事になります。

 

人と自然にやさしい商品が世の中に出てくる事は喜ばしいことと、歓迎します。しかし、その商品がモノや金を追い求める世界の中で生まれ育つ事になったらどんなことになるのでしょうか?、今人類や地球環境は今までの間違いを改め、急いだ再生を必要としています。こうした再生を助けるものはハードでもソフトでも出し惜しみすることなく、どんどん世の中に出されていくべきだと考えますが、その中に出て行くという手続きはある一部の人の手に委ねられているのが現状のように思います。

 

科学技術は人間であればだれでも、その恩恵を受ける事が出来るし、科学する知恵や技術を生み出すことに参加することが出来ると考えています。

 

NPOの活動はお金にならない事をしているのが当然という考え方もありますが、私達のNPO法人は今までの経済社会の産物である負荷を掃除するだけが目的ではなく、豊かな一生を送るためと人間の責任において、今までして来た間違いを繰り返さないということも含み、今は主に負荷要素を良くすることをしています。例え買換えなくても科学技術という知恵で、省エネ・UD・エコを実現させる方法を指導しております。この活動範囲は一つの企業が進めるモノを購入したから済むという話ではなく、地球レベルの自然の再生ということを目的とした、我が国だけでなく、国際社会での共通した理念での活動であることを自覚することも大切であると考えます。

 

今からは効果的な方法で補助金が使われていく事を願っております。

 

地球環境の再生を考える前に、破壊をしたのも人なら、再生させるのも人であると考えたとき、今の国際情勢の現状、我が国の現状を振り返ると再生とは程遠いことが起きていることも充分承知した上で、将来における総合科学技術の進歩が大きく人と自然を包み込みきっと再生させると信じています。個々人の知恵と努力と愛によって・・・。



工業技術新聞掲載論文-近藤和子記
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