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2008.06.10
花組 宝塚ミュージカル・ロマン
『愛と死のアラビア』
−高潔なアラブの戦士となったイギリス人−
原作/ローズマリ・サトクリフ
脚本・演出/谷正純
山本史郎訳「血と砂」(原書房刊)を参照
1807年の頃の話「アラビアのロレンス」に先駆けること百年、敗戦で捕虜となりながらも、キリスト教をイスラム教に改宗し結婚して敵国のために生きた、高潔な戦士の実話をもとに、国家・人種・宗教を超越した友情と愛情が確かに存在することを描き、人と人との心の交流の大切さを訴えかけている作品です。
主演の真飛 聖さんのお披露目公演でもあり、楽しみでした。
幕が上がると黄金を基調とした豪華で神秘的な舞台装置が目の中に飛び込んでくる。その時点から自分がその時代のアラブの世界に入り込んでいくような気持ちになっていく。
舞台の中央に置かれた黄金の太陽と黄金の光線は新しい時代の到来を意味しているような連想を誘う。
装置と台詞の中から・・・
◎分かれた神々はもとは一つ。
◎捕虜となり、遠く離れた故郷を懐かしく思い出すシーンは感動。
◎敵の国のために、兵士を訓練したり、医療活動をする姿は古さを感じない新鮮感覚だった。
◎階級制度における指導者の権威の中に存在する喜怒哀楽と苦悩を乗り越えて判断するシーンは現代のITにリードされる情報化社会と比べると隔たりを感じますが、同じ人間の営みが延々と続いている。今後も続く道のりをイメージしてみると、根底を流れる何かを感じる。何時もメッセージ性の高いミュージカルを演じる宝塚歌劇はこの度も多くの事をメッセージし、未来への道を指し示しているような感覚が伝わってきたように思う。
◎パンフレットに書いてあった、新生花組の大空 祐飛さん・真飛さん・壮 一帆さん・愛音
羽麗さん・桜乃 彩音さん達は日ごろから優しいという。こうしたメンバーが演じる世界を期待すると、観劇を重ねるごとにやさしさが作り出す不思議な世界に身を任せ漂う自分の心に気が付く癒しの香りが劇場いっぱいに広がる。同じことを感じる仲間と共有できる時間も楽しい。宝塚にはすでに、新しい時代の光が照らし始めたような気がする。
◎長い歴史の中で、自分を犠牲にして世の中を救った人々は多い。この主人公の真飛さんもそうである。様々な世界に犠牲は存在し、その上に作られた社会の中で営み続けてきた歴史という残され情報には、神という自然も関わってきたことを再確認させようとする仕掛けも感じ取れる。来年1月1日は花組の初日である。宝塚歌劇95周年記念すべき第1作は韓国歴史ドラマ「大王四神記」の舞台化を公演する予定になっている。いよいよ、朝鮮半島と日本列島との古事記以前からのいろいろな歴史の負荷のこだわりが消える時が来る事を願う思いもあるような気もする。
花組の今後の活躍を期待します。
グラン・ファンタジー
『Red Hot Sea』
作・演出/草野旦
[解 説]抜粋
海の周辺は煌くばかりの魅力に溢れている。海をわたる風、熱い砂浜、夢を誘う遠い水平線、何もかもを飲み込んでしまう波、そんな海をめぐる様々な要素を織り込んで、南の海を舞台に、明るく美しく神秘的に繰り広げる、熱いショー。
『愛と死のアラビア』と『Red Hot Sea』の2作は生命の営みと43億年という海の歴史とが実にうまくリンクされている。
3時間という短い時空間の中で感じとれる、大きくて、繊細な世界は、閉じ込めがちになる心を開放してくれるような気がする。
NPOで宝塚歌劇を支援する活動を始めた当初は他のために支援する活動であると自覚していた。今は、私達の心を育てる小庭としても活用。 |
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