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2008.04.10
宝塚歌劇から想像出来る世界・・・記 近藤 和子

UCC&シャディミュージカル
『ME AND MY GIRL』
 作詞・脚本/L・アーサー・ローズ&ダグラス・ファーバー
 作曲/ノエル・ゲイ
 改訂/スティーブン・フライ 改訂協力/マイク・オクレント
 脚色/小原弘稔 脚色・演出/三木章雄


 1937年にロンドンで初演され1646回のロングランを記録した大ヒットミュージカルで、宝塚歌劇では1987年5〜6月に剣幸、こだま愛を中心とする月組で上演し絶賛を浴び、同年11〜12月に同じく月組で再演された作品で、1995年には天海祐希、麻乃佳世により再演。1930年代のロンドンを舞台に、下町に住む若者が紆余曲折の末に大富豪の伯爵家に跡継ぎとして迎えられるという明るくロマンチックな物語です。解説抜粋
 公演を観劇した感想は宝塚でここ数年流れている一貫した思想伝達とは毛色の違う作品であるような感じを受けております。
 歴史を感じさせる作品は多くありますが、作品の進行のテンポや衣装の感覚から昔を感じたのも不思議でした。テンポはだんだんと変わっているようですが、作品自体に犯しがたい何かがあるような気がしました。初舞台生のロケットからはいつもの宝塚の感覚に戻ったと感じられ、何となくほっとする自分は特別なのかと聞いてみると同じ答えだったのも何か隠れた意図があるのでしょうか。
 こうした感覚は別として、主演男役の瀬奈じゅんさんの演技にはただただ感動しております。まだ始まったばかりなのでこの作品がどんなに仕上がっていくのか楽しみです。
 この公演で退団となる出雲 綾さん、彩乃 かなみさんの演技も見納めだと思うと、尚一層パワーを感じます。
 喜劇顔負けの愉快な台詞と演技は観客の心を心底から癒してくれます。特に瀬奈さんからは観客への最高の愛のようなものが伝わってきます。これが今風に言いたい言葉で言えたとしたら、瀬奈さん、もっと楽だろうにと考えたりもしてしまいます。
 初演経験者の専科の未沙のえるさんの演技も制約を越えた大きさを感じます。次につづく霧矢大夢さんの演技も瀬奈さんの強引なリードでどんどん変わっているのも楽しい。
 出雲さんも彩乃さんにも同じ事が言えるような気がしています。
 昨年暮れのアレキサンダー大王のアレックスの作品は複雑すぎて理解に苦しむところがありましたが、すばらしい仕上がりに感動しました。今回はその時とは内容はまったく違いますが観劇している立場からいうと、自己を見失わないという点では、共通点があるように感じています。
 まだ終わっていませんが瀬奈さんの主演男役としての貫禄に加えて、月組をリードしていくパワーも増し頼もしささえ感じられる公演です。
 時に、この作品の時の流れを私的な世界に落としこんでみました。
・ロンドンでの初演は1937年
 第二次世界大戦が始まった頃。
 私は生まれていなかった。
 薪でご飯を炊いていた。
 今家庭にある電気製品の殆どが、まだなかった。
・宝塚歌劇初演1987年
 21年前昭和の終わり。
 経済発展がつづく中で、オイルショックは到来済み。
 バブルは始まり、そして崩壊した。
・再演1995年
 13年前、平成時代。
 この年に電子顕微鏡が開発され極微細な世界を見る事が可能となる。
 今までの学問の定義が崩れる。
 2000年に微細科学を基本としたナノテクノロジーの元で科学技術創造立国をめざす事を宣言。
 その分野は環境・医療・情報・ライフサイエンスと定める。
 一兆分の一までの測定可能に。
・再演2008年
 初演ロンドン71年前・宝塚初演
 21年前、世の中はすっかり変化。
 微細な科学がリードする時が来た。
初演当時と同じセットで同じ台詞で同じ曲で今演じてる現実を実感する。



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